ヨッシー君日記 Vol.08

――ISO9001の考え方について教えてください。

吉田:ISO 9001とは品質マネジメントシステムのことです。『品質』という言葉から、『良い製品を製造する』というイメージが持たれますが、大切なのは『品質管理』という言葉そのものにとらわれるのではなく、よりよい製品やサービスを提供するための過程そのものに重点を置いています。つまり、ISO 9001の目的は、『品質を常に維持・向上するためのシステムを管理すること』であり、製品にするためのプロセスを一つ一つ分析することによって、結果的にお客様にご満足いただける高い製品が作られるという考え方です。

――ISO9001を取得した企業にはどのようなメリットがありますか?

吉田:はい。国際認証であるISOを取得することで、お客様や取引先の信頼度に繋がります。また、ISOシステムを構築すると、作業手順や仕事の役割分担などの責任と権限が明確になります。さらに、生産性が向上し、現場中心での教育を行う基盤もできます。しかし、システムを構築して、ただ運用しているだけでは、この様な効果は望めません。結果を分析して少しずつ改善していく仕組みを社内に根付かせていくことで、初めてメリットが生まれるのです。

――最新版ISO9001の特徴について教えてください。

吉田:一言で言いますと、ISOシステムの構築の自由度が高まりました。これまでの規格では、ISOが要求する必要な文書が多く、文書に振り回されている感がありましたが、最新版では、これまで以上に文書化に関する要求が減っています。よって今まで以上に、業務に沿ったISOの運用が可能になりました。さらに、製造業を基準にしている感が強かった従来のISO9001に汎用性を持たせて、サービス業などさまざまな業種でも使いやすくなるようしていることも2015年版の特徴になります。業界や市場の変化に応えるべく、構造、原則、概念が刷新されており、これが「規格発行以来、最大の改定」といわれております。